【一条工務店】土地探しをハウスメーカーに依頼するメリットはない?
こんにちは、テングです。
私のように土地を持っていない方が注文住宅を建てるには、まず土地を取得する必要がありますが、その方法としては①不動産業者に依頼するか②ハウスメーカーに依頼するかのどちらかになることが通常だと思います。
巷ではハウスメーカーに依頼するメリットを強調する意見が多いように思えますが、果たして本当にそうなのでしょうか。
私は当初は一条工務店に土地探しを依頼していましたが、思うように土地が見つからず途中から不動産業者にも併せて土地探しを依頼しました。
そこで、今回はハウスメーカーに土地探しを依頼するメリットは本当にあるのかを検証したいと思います。
ハウスメーカーに土地探しを依頼するメリット
まず、一般的にハウスメーカーに土地探しを依頼するメリットだとされている事項をまとめていきたいと思います。
1 家を建てるのに問題がある土地を避けてくれる
この見解は不動産業者とハウスメーカーの土地に対するスタンスの違いを背景とします。
すなわち、不動産業者は土地を売ることがゴールなのに対して、ハウスメーカーのゴールは施主の希望通りの建物を建築し引き渡すこととなります。
したがって、不動産業者は土地が売れさえすれば、その後にどんな建物が建つかについては無関係なため、軟弱地盤であったり敷地に高低差があるなど建物の建築にあたって追加で多額の費用がかかる土地であっても十分な説明をしないまま売ってしまう可能性がある。
他方、ハウスメーカーについては、そのような土地を説明しないまま紹介すれば、後に問題になることは目に見えているため、そもそも紹介しないか、紹介するとしても十分な説明を行うはずであるというものです。
これについては、不動産業者が契約にあたり説明しなくてはならない事項もありますが、やはり不動産業者としては詳しい説明は避けたいのが本音だと思います。
しかしながら、候補の土地が建物を建てるのに適しているかという点については、別にハウスメーカーに土地探しを依頼しなくても、不動産業者と探した土地にハウスメーカーの立場からの意見を求めれば当然回答してくれる内容だと思います。
2 自分が希望する大きさの建物が建てられる土地か事前に知ることができる
不動産業者は建物の設計について専門的知識はないため、候補の土地に自分が希望する大きさの建物が本当に建てられるかについて回答できないというものです。
例えば、30坪の建物を建てたいが、面積30坪、建蔽率50%、容積率100%という土地を買って問題ないかと質問された場合には、不動産業者の方は正確な回答はできないはずです。
なぜなら、建物を建てられる面積は建蔽率や容積率だけでは決まらず、駐車スペースの計画、斜線制限、隣地との関係、土地の形などによって変わってくるからです。
もっとも、同じ質問をハウスメーカーの担当者がされても正確な回答はできないと思います。
これらは設計段階で詳細な計算をして初めてわかることだからです。
実際に私もこの点については土地探しの段階で非常に悩んだところです。
首都圏では1坪土地が大きくなると100万近く金額が上がることもあるため、心配だから少し大きめの土地を買っておこうということが非常に難しいです。
したがって、希望する大きさの建物が建てられるギリギリの坪数の土地を探すわけですが、営業さんに聞いても建ててみるまでわからないという回答しかもらえませんでした。
営業さんも大丈夫だと言っておいて、間違っていた場合には責任問題になってしまうため、そのような回答になってしまうのはやむをえませんが、だからと言って設計の方が出てきて検討してくれるということは、少なくても一条工務店ではありませんでした。
100万の契約金払っているんですけどね。
3 土地にかけて良い費用を事前に把握できる
注文住宅においては、土地の取得は建物を建てるための手段にすぎません。
したがって、家にかかる費用を知らないで土地を買ってしまうと、その残額で建物を建てることになり、土地にあわせて建物を決めるという本末転倒な結果となってしまうというものです。
例えば、私の予算は土地・建物・外構など全部含めて合計5000万円でした。
私の希望する地域で、条件の良い土地を選ぼうとすると3000万円はするため、残金は2000万円程度となり、その金額の土地を買うなら一条工務店で建てるのは諦めることになっていました。
実際には、事前に一条工務店の見積もりをもらっており、土地にかけられる費用は2000万円程度になると把握していため、土地の条件を妥協することで解決しています。
これについては、非常に重要で土地探しの段階からハウスメーカーに関与してもらうことは必要だと思います。
もっとも、単に見積りを貰えばいい話なので、ハウスメーカーに土地探しを依頼するメリットとは言えないはずです。
なお、見積りを貰ったとしても、金額が後から大きく増加することもあるため、その額を前提に土地の費用を決めることには注意が必要です。
私の実際の見積もり・予算の考え方については別記事で紹介しています。
4 仲介手数料が無料になる場合がある
ハウスメーカーに土地探しを依頼しても、通常は仲介手数料は必要となります。
私のように、仲介手数料がかからない場合もありますが、どちらかといえば少ない方かと思います。
詳しくはこちらの記事にまとめていますので興味がある方はご覧ください。
ハウスメーカーに土地探しを依頼するデメリット
次は逆にハウスメーカーに土地探しを依頼するデメリットについても考えてみます。
1 土地の知識は不動産業者の方が詳しい
当たり前のことですが、土地自体の知識は不動産業者の方が専門となります。
特にその土地の地場の不動産業者が一番知識を持っていると思います。
例えば、あなたの住んでいる地域にも、ある区域だけ治安が悪かったり、大雨の際に水はけが悪くて浸水しやすい地域などがないでしょうか。
他にも近所に暴力団事務所やカルト宗教の施設などがあるということも考えられます。
逆に近場にスーパーなどの便利な施設が新設される予定があるかもしれません。
このような情報は実際に住んだ後にとても重要ですが、ハウスメーカーでは把握することが難しいと思います。
もっとも、不動産業者は土地を売ることがゴールですから、不利な情報を教えてくれるかは、その業者の誠実さや信頼関係によってくることにはなります。
あくまで主観ですが、地元の信用でなりたっている地場の不動産業者であれば、この辺はある程度期待できるのではないかと思います。
2 土地の選択肢が狭くなる
土地探しをしていてつくづく思ったことは、良い条件の土地はほとんどが業者に抑えられていて建築条件付で販売されているということです。
ハウスメーカーに土地探しを依頼すると、基本的に自社以外の建築条件付きの土地は選ぶことができないため、土地の選択肢は狭くなります。
例えば、一条工務店が候補となっており、土地探しを依頼しているとします。
希望の地域に積水ハウスの建築条件付の土地があり、土地の条件も理想通りです。
そして、積水ハウスの家づくりの提案を受けてみたら大満足ということもあり得ます。
ハウスメーカーに土地探しを依頼する場合には、これを検討する機会自体がなくなることになります。
また、不動産業者に集まる新規物件の情報というのは一般公開される前に、まずその不動産業者の顧客に提供されることになります。
ハウスメーカーだけに土地探しを依頼している場合には、そのような情報を取得しづらく、ネットで既に公開されている土地の中から選んでいくことになる可能性が高いと思えます。
3 他のハウスメーカーが良くなっても変更し辛い
ハウスメーカーにとっては土地探しは、建物を建ててもらうために無償で行っているのが基本だと思います。
したがって、土地を探してくれたのに、他のハウスメーカーに変更するというのは、よほど肝が座った方しか難しいのではないでしょうか。
また、土地探しを何社かのハウスメーカーに頼んでいる場合は、間取りが気に入ったハウスメーカーではなく、良い条件の土地を探してくれたハウスメーカを選ぶことになりかねません。
これでは、自分にとってベストでは無いハウスメーカーを妥協して選ぶことになるため、後から後悔することにもなりそうです。
なお、土地を探してくれたとしても、そのハウスメーカーで建物を建てなければならないという法律上の義務はなく、通常は道徳的な問題になります。
ただし、土地を探すことを条件にそのハウスメーカーで建築することを約束していた場合には、一方的な約束の不履行として土地探しにかかった費用を請求されても文句は言えません。
いずれにせよ、建物を建てるつもりのないハウスメーカーに土地探しを依頼するべきではなく、ここでなら建てても良いと思えるような会社に絞るべきかと思います。
結論 今改めて土地探しを行うなら
以上からすると、ハウスメーカーに土地探しを依頼するメリットとしては決定的なものは無いのではないでしょうか。
私が思う1番のメリットは、不動産業者とかかわらずにある程度土地の知識をもった方に土地探しを手伝ってもらえる点だと思います。
やはり自分で不動産業者をまわるのは面倒ですし、地場の不動産業者は変なところもありますからね。
他方、不動産業者に依頼するメリットは基本的に入ってくる土地の情報が多くなるという点です。
したがって、仮にもう1回土地探しを行うとすれば、最初はハウスメーカーに依頼して、希望の土地がなければ、大手と地場の不動産業者の両方にもあわせて依頼するというやり方になると思います。
もし、ハウスメーカーの営業さんが提携の不動産業者を紹介してくれるのであれば、面倒がっているのではなく、どちらの長所も利用できるベストな選択かもしれません。
この記事が皆さまの参考になれば幸いです。